事業承継・相続に強い税理士に出会うには
事業承継・相続に強い税理士に出会うには
すでに信頼できる税理士がいる場合はその方にお願いすればいいと思いますが、まったく心当たりがないという場合や、自社の顧問税理士では不安が残るという場合は、新たに探すことになります。今はインターネットで「事業承継・税理士」とキーワード検索すれば、全国の税理士が調べられますが、そこに書いてある情報だけで選ぶのは危険です。やはり実際に会って、相手を見定めるべきです。
まずは、事業承継や相続の無料相談会などに行ってみるのもいいでしょう。いくつか行くうちにアンテナが立ち、有益な情報がどこに集まっているかが分かってきます。
また、知り合いなどで事業承継。相続を実際に経験した人がいれば、どうだったかを聞くといろいろ教えてくれるでしょう。「この税理士は良かった」とか「あの会社は、この先生に頼んでひどい失敗をしたらしい」というクチコミは意外に参考になります。
ただし、同じ税理士でも自分との相性がありますから、自分のときもうまく行くとは限りません。クチコミをそのまま鵜呑みにするのではなく、自分の目で見て冷静に判断するようにしてください。
ちなみに、私のクライアントのある社長さんは、私に出会うまでに100人の税理士と会ったと言っていました。
もう1つ、これが一番重要なポイントですが、正式に依頼する前に必ず「これまでの実績や経験数」を聞いてください。税理士の中には企業の会計専門で事業承継や相続をしたことのない税理士がたくさんいます。というよりも、実は事業承継をしたことのない税理士が大半です。
もっと言えば、「相続税の申告書をつくったことがある」だけの経験で、相続専門を謳っている税理士もいます。私から言わせていただくと、相続税の申告書作成はできて当たり前。事業承継や相続の難しさは、そんなところにあるのではありません。
相続倒れをしないための節税策を具体的に示したり、家族全員が笑顔になれるような遺産分割を提案したり、起こりそうなトラブルを未然に防いだり、従業員や取引先との関係を良好にするための相談に乗ったりなど、事業承継・相続に挑む経営者やその家族を全方位から支えることができて初めて、「事業承継・相続の専門」と言えることができるのだと思っています。
さまざまな事業・家族のかたちを見てきた経験豊富な税理士を選ぶようにしてください。