CASE11
功労者の従業員たちがいなくなり、会社はただの“箱”に……

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功労者の従業員たちがいなくなり、会社はただの“箱”に……

Kさん 70歳/【家族】妻、長男

Kさんは、ある中小企業の経営者です。一人息子は地元を離れて東京の大学に進学し、そのまま都内で就職して結婚もしていましたが、3年前にKさんが息子に「会社を引き継いでほしい」と連絡したため戻ってきました。息子は飲み込みも早く、社会人経験もあったので、Kさんはその経営手腕を信頼して潔く引退しました。

Kさんの息子は自分が社長になるにあたり、ダイナミックな組織改革を行いました。古くからいる従業員たちの大半を辞めさせて、代わりに若い人材を新たに採用し、会社の若返りを図ったのです。組織改革と同時に人件費のコストカットもしたかったKさんの息子は、給与の高い人材からリストラしていきました。

リストラの対象となったのは、幹部や古参の従業員たちです。先代のもとで長く働き、会社や業界に精通していた従業員や、取引先との良好な関係を保つのに不可欠だった要人たちを見境なく切ってしまいました。

このことがきっかけで、会社の事業力は夕日が沈むようにするすると落ちていきました。業績の悪化を知った取引先も潮が引くように撤退していき、融資も打ち切られてしまいました。

この段に至って、ようやくKさんは自分の息子が犯した過ちに気づき、以前の従業員たちに「戻ってきてほしい」と頼みましたが、時すでに遅し。失った信用を取り戻すことは難しく、今は残された資源を使いながら、事業を縮小して細々と経営を続けています。

問題点まとめ

問題点まとめ

必要な人材までリストラしてしまう

世代交代を機に新体制でスタートする意気込みは良かったのですが、Kさんの誤算は自社にとって必要な人材まで辞めさせてしまったことです。「企業は人なり」というように、人材は最重要に位置づけられる経営資源です。これを失った会社は、中身のない空っぽの入れ物にすぎなくなってしまいました。

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