秘訣27
取引先との関係は接待でなく業務で固める
秘訣27
取引先との関係は接待でなく業務で固める
会社というのは、そもそもが利益を追求する存在です。ビジネスを通して「自社が利益を得る」というのは大前提です。ただ、長期的な視点で見たときに、自社にだけメリットがあるというのは、あまり好ましくありません。「自社も取引先も利を得るウィンーウインの関係」を築く姿勢というのが、会社を発展・永続させていくためには大事です。
物事を自分の立場からしか見られない人は、独りよがりのウインーウインになりがちです。「きっと相手もこう思っているはず」「自分がこうすれば、相手が喜ぶに違いない」という見方は、相手のことを考えているようで、実は自分のことしか考えていません。「あなたもこう思うよね」という自分の感覚や意見を押しつけているにすぎないからです。
本当に相手とウインーウインの関係になりたければ、相手の立場から物事を見なくてはなりません。これはとても難しいことですが、繁栄している会社のトップはおしなべて、他者の目を持っています。
彼らがどのようにして他者の目を身につけたのか。私がこれまで関わってきた優れた経営者たちを見ると、やはり相手との対話やコミュニケーションを大切にしています。「自分はこう思うが、あなたはどう考える?」「うちの会社がこのようにしたら、あなたの会社にはどんな影響がある?」というように、彼らは相手の意見や気持ちを聞くことを怠りません。「ビジネスは自社だけでできるものではない」「取引先があっての自分」という意識が強くあるのでしょう。
「相手の立場に立って考えることの大切さ」は幼稚園でも習うことですが、実際にはテレパシーでもないと無理なことです。だからこそ話し合うのです。相手の声を聞き、表情を見ることで、その奥にある心情や本音が汲み取れるようになっていくはずです。
本当の意味でのウインーウインを目指し、取引先との強固で濃密な関係づくりをしていただきたいと思います。