CASE03
経営難の会社を子に負わせ、家族も会社も共倒れ

CASE03
経営難の会社を子に負わせ、家族も会社も共倒れ

Cさん 70代 織維業/【家族】妻、息子

Cさんは事業承継にあたって、一流企業に勤める一人息子に自羽の矢を立てました。「代々、親子で承継してきた家業だから、自分の代で変えることはできない」と息子を説得して自社に呼び戻し、実際に事業承継をしました。

ところが、息子がいざ承継してみると、会社の経営は火の車。このままでは会社が潰れてしまうということで、息子から私のもとに連絡がきました。私はできるかぎりの知恵を絞り、最大限の対策を打ったのですが力が及ばす、結局、会社は再建できずに潰れてしまいました。

私が先代に、「どうしてこんな末期的な会社に息子さんを呼び戻したのですか」と後で訊くと、先代は「自分も苦しかったから……。でも、こんな最悪なことになるとは思わなかった。息子に悪いことをした」と絞り出すように答えて俯きました。

実は、先代は会計的な知識や法律のことがまったくわかっていませんでした。それで、苦し紛れに息子を呼び戻してしまったのです。おかげで息子は一流企業という生活の安定を棒に振ることになってしまいました。

さらによくなかったのは、Cさんが先祖代々の家業を潰すまいと、自分の個人資産を限界以上に会社につぎ込んでいたことです。そのせいで、会社が潰れたばかりでなく、財産まで失ってしまいました。

問題点まとめ

問題点まとめ

自社の現状把握が甘い

Cさんの最大の落ち度は、「自分の会社の現状を正しく把握できていなかった」ことです。Cさんは決算書の読み方を知りませんでした。そのため、自社の経営状態、財政状況などを感覚だけで把握していたのです。自社が極めて末期的な状況にあり、立て直しがほぼ不可能であることに気づいていませんでした。「何とかなる」というCさんの楽観視が、息子に悲劇を見せてしまいました。

会社の存続に固執しすぎる

Cさんは「自分の代で会社を潰せば、先祖に顔向けできない」というプレッシヤーを感じていました。そのせいで、限界以上に私財をつぎ込み、ほとんどの財産を失う結果になってしまいました。

お問い合わせ

通常のお問い合わせは「お問い合わせフォームへ」からお問い合わせください。
オンライン面談をご希望の方は「オンライン面談について」よりご連絡ください。

お問い合わせ

通常のお問い合わせは「お問い合わせフォームへ」からお問い合わせください。
オンライン面談をご希望の方は「オンライン面談について」よりご連絡ください。