CASE09
後継者を決めないまま相続発生!後継者争いが勃発
CASE09
後継者を決めないまま相続発生!後継者争いが勃発
Iさん 60歳/【家族】妻、長女、長男
経営者であるIさんはまだ60歳でした。健康には人一倍気を使っており、日頃から体を鍛えたり、バランスのよい食事を心掛けたり、こまめに検診を受けたりしていました。ところが、ある日、交通事故で亡き人になってしまいました。
まだまだ働く気でいたIさんは、事業承継どころか後継者も決めてはいませんでした。突然トップを失った会社は、後継者を誰にするかで大混乱に陥りました。
Iさんには子どもが二人いましたが、長女は結婚して家を出ており、自営業の夫の手伝いをしていました。長男はIさんの会社で働いていましたが、当時まだ20代半ばで、すぐにIさんの会社を継ぐのは無理がありました。会社では、最古参の取締役と、やり手の若手役員とが次期社長の座を巡って火花を散らし始めました。
トップ不在では会社が回らないため、「暫定的に」という約束でIさんの実弟が社長になりました。10年ほどが経ち、長男が「そろそろ自分も経営者としてやっていけそうだから、バトンタッチしてほしい」と、叔父であるIさんの実弟に言ったのですが、拒否されてしまいます。
Iさんの実弟にしてみれば、会社の窮地を救ったのは自分だという自負があり、また、経営そのものも面白くなっていたのです。Iさんの死後10年目にして、再び経営者争いが勃発してしまいました。
問題点まとめ
問題点まとめ
後継者未定のまま、経営者が死去
会社で経営者がいなくなることは、飛行機でいえばパイロットがいなくなるのと同じことです。操縦する者がいなければ、機体はどこへ飛んでいくか分からず、空中分解もありえます。Iさんの突然の死去により、会社は危機的な状況に陥りました。
暫定的にIさんの実弟が引き継いだものの、それもまた新たな後継者争いの種となってしまいました。