事業承継と相続が絡み合い家族関係が泥沼化
事業承継と相続が絡み合い家族関係が泥沼化
事業承継には、子や親族へ承継する親族内承継と、従業員などの他人に承継する第三者承継があります。第三者承継では、会社の「人」「物」「金」「知的財産」を引き継ぐだけです。文字にして書くと簡単に聞こえますが、それですら多くの経営者を悩ませ、承継に失敗していくケースが後を絶ちません。
ところが、親子間での事業承継の場合は、ここにさらに相続の問題が加わってきます。相続は経営者である親と後継者である子の間にだけ存在するのではなく、それ以外の妻や子なども含めた′′家族の問題′′として存在します。関わる人が多くなると意思統一が難しかったり、それぞれの思惑が混じり合って駆け引きが生じたり、利害関係が起きやすくなります。それで間題が複雑化していくのです。場合によっては、家族同士が対立していがみ合い、泥沼化していくこともあります。
経営者の親と後継者の子は、事業承継対策と相続対策という2つの対策を並行して行わなくてはなりません。